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三崎の春は、海士(あまし)たちの磯笛で幕を開けます。4月15日は海士解禁の日。海士にとって年明け最初の仕事であるアワビ、サザエの素潜り漁が始まります。この日は磯の口開けにあたり、昔は学校も休みになりました。漁港は一気に活気を帯びます。一方、一本釣りの漁師たちはタイやハマチのたくり漁に出ます。タイやハマチはいつでも捕れる魚ですが、中でも桜の季節に捕れるマダイは桜鯛と呼ばれて人気があります。 |

 
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春から初夏にかけて海水が温かくなるにつれ、天草、ヒジキ、フノリ、ワカメなどの海藻類が一斉に育ち始めます。6月は天草漁の解禁。20cmほどに育った天草が漁港一面に干されて賑わいます。そして夏、いよいよアジの一本釣りのシーズン到来です。産卵を終えて身の引き締まったアジは水温の上昇とともに食欲を増大させ、身が良くなり脂ものってきます。漁獲も8月、9月にピークに達します。 |
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夏が終わると、9月1日の伊勢エビ解禁に備えて網の準備が始まります。伊勢エビ漁の解禁期間は翌年5月までです。また夏に解禁になった紫ウニが成熟してくるのもこの時季。完熟ウニが食べ頃です。一方、一本釣りではタチウオ漁が本格化。晩秋にはブリ、ハマチ漁も盛んになり、一本釣り漁師の腕が鳴ります。 |
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サバは秋が旬といいますが、三崎のサバは秋サバではなく寒サバ。身の締まったサバは、水温が下がる2月、3月に最も脂がのって旨くなるのです。アジも同じく水温が下がると脂がのって、夏に続いて二度目の旬を迎えています。そして冬の味覚といえば、フグ。延縄漁の出番です。冬の佐田岬では穏やかな日は数えるほどしかありませんが、荒れる海にあえて船を出すこともしばしば。旬にこだわる三崎漁師の心意気です。 |
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